アメリカにおけるソーシャルワーク倫理の意義を学び、改めて「倫理とは何か」を考える貴重な機会となりました。講義では具体的な倫理ジレンマの事例も提示され、参加者はアメリカと日本のソーシャルワークの違いを大きく感じ、活発なディスカッションへとつながりました。
提示された倫理ジレンマに対し、参加者たちは「どのCode of Ethicsが関わっているのか」「日本の自分の職場ならどのように対応すべきか」を慎重に考えながら意見を交わしました。その過程で、日本の専門職としてのあり方や文化的背景の違いを実感し、日米のソーシャルワーク実践のあり方について深く考える時間となりました。
多くの参加者が、日本ではソーシャルワーカーとしての倫理規定や実践指針、コンピテンシーのような枠組みがより体系化されれば、専門職としての実践力やクライアント支援の質の向上につながると感じていました。教育機関・職能団体・現場が連携し、学びと実践を結びつける仕組みづくりの重要性が共有されました。
さらに、日本では個人の判断よりも職場全体の決定が重視され、チームアプローチが掲げられながらも各職種の役割や業務範囲が明確でないことが多いという意見が出ました。一方で、アメリカではライセンスや教育課程(BSW・MSW・LCSW)ごとに職務内容・倫理規定・コンピテンシーが体系化され、大学教育と現場実践が密接に連動している点が特徴的であるとの声もありました。
また、日本では個々の能力や知識に応じた実践の幅や責任の所在が曖昧であることが課題として挙げられました。全国的な倫理・能力の統一、生涯学習やスーパービジョンの充実が、現場の専門性向上やバーンアウト防止につながるのではないかという意見も出されました。
こうした学びの場や意見交換の時間こそが、日本のソーシャルワークの未来を拓く鍵になると感じます。異なる文化や制度を比較しながら、自国の実践を見つめ直すことで、新たな発見や希望が生まれたセッションとなりました。参加いただいた皆さん、たくさんの有意義な意見交換の時間本当にありがとうございました。
次回の国際生涯教育は来年1月に、アラスカのソーシャルワーク実践について学びます。隔離されたコミュニティが多く、そこにはアラスカネイティブの先住民が住んでいる。そういった環境の中でのアラスカならではのユニークなソーシャルワーク実践について学ぶ予定にしています。お楽しみに。